短期の支払能力をみる指標として、流動比率当座比率を先日ご紹介しました。

今回は超短期の支払能力をみる手元流動性比率について記載します。

流動資産の中でも短期間に現金化が可能な当座資産の内、売掛金、受取手形を除いた現金預金と売買目的の有価証券の合計額を手元流動性資産と言います。

この手元流動性資産を月平均の売上高で割ったのが手元流動性比率です。

手元流動性比率は1ヵ月当たりの売上高と比べて何ヵ月分の支払能力があるのかをみることが出来ます。
手元流動性比率が高いほど会社の超短期の支払能力が高いということになります。

 

手元流動性比率の算出方法

会社の貸借対照表から手元流動性資産の金額を、損益計算書から売上高の金額を抽出します。

計算例

・貸借対照表
現金預金1,000、売買目的有価証券500、手元流動性資産1,500

・損益計算書
年間売上高12,000

・手元流動性比率の算出
1,500(手元流動性資産)÷12,000(年間売上高)×12月=1.5ヵ月

この会社は1.5ヶ月分の売上高の手元流動性資産を保有していることがわかります。

 

手元流動性比率の目安は

手元流動性比率は最低でも1ヵ月分はある方が良いと思います。

1ヵ月分あれば仮に何らかのトラブルにより、売上の入金が全くない状況に陥ったとしても何とか資金ショートせずに1ヵ月は耐えられるからです。

また、注意しなければならないのが手元流動性比率は高ければ高いほど良いわけではないということです。
手元流動性比率が高いと一見安全性が高い良い会社に見えますが、実は適切な投資を行っていないために多額の現金預金が残ってしまっているだけという可能性があるからです。

会社は適切な投資を行わないと成長が止まってしまいます。手元流動性比率が高い場合は、会社の成長に必要な投資が出来ているか見直してみてはいかがでしょうか。

 

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