税務署による税務調査が行われる前には原則として事前に調査を行う旨の通知があります。

今回は税務調査の通知の内容と、例外的に調査の通知がなく行われる税務調査について記載します。

税務調査の通知内容

原則として下記事項が税務調査の前に通知されます。
①調査の日時
②調査を行う場所
③調査の目的
④調査の対象となる税目
⑤調査の対象となる期間
⑥調査の対象となる帳簿書類その他の物件
⑦調査を行う税務職員の氏名及び所属官署(職員が複数であるときは、当該職員を代表する者の氏名及び所属官署)

調査の通知は誰にされるか

税務署からの調査の事前通知は納税者又は顧問税理士のいずれかにされます。

申告書を提出する際に税務代理権限証書を提出しており、「調査の通知に関する同意」の欄の税務調査がある場合の通知が税理士にされることに同意するにチェックが入っている場合は税理士に通知がされ、チェックが入っていない場合は納税者に通知がされます。

 

税務調査の日程変更

税務調査の通知があった場合、その通知された日程で税務調査が行われます。
しかし、どうしても都合がつかない場合はその旨を税務職員に伝えて日程を変更してもらうことが出来ます。

税務調査の日程変更が可能な例

①納税義務者や税務調査に立ち会う税理士が病気・怪我等により一時的に入院している場合
②納税義務者や税務調査に立ち会う税理士の親族の葬儀等の一身上のやむを得ない事情がある場合
③納税義務者や税務調査に立ち会う税理士の業務上やむを得ない事情がある場合(単に仕事が忙しいという理由は認められません)

 

事前通知がない税務調査

上記のとおり原則として税務調査の前には事前に通知があります。
しかし例外として事前の通知を行うことにより、納税者側の不正又は違法行為を容易させてしまうと認められる場合には事前の通知がなく調査が行われる場合があります。

事前通知がない場合の具体例

①不特定多数の取引先と現金決済を行っている場合
※ただし、現金決済を行っているだけで事前通知が行われないわけではなく、現金決済が多いと不正が行われやすいため、結果として現金決済が多い事業者は事前通知がないケースが多くなります。

②税務署側で納税者の不正の情報をつかんでおり、事前通知を行うことによって、納税者が帳簿の改ざんや取引先との口裏合わせ等を行い、不正の証拠を隠滅する可能性がある場合

③事前通知を行うことによって納税者が逃亡する可能性がある場合

④事前通知の連絡を電話等で行おうとしても、納税者に応答を拒否され連絡がつかない場合

 

 

【参考条文等】
国税通則法第74条の9
国税通則法第74条の10
国税通則法施行令第30条の4
手続通達4-6
手続通達4-7
手続通達4-8
手続通達4-9
手続通達4-10
調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)

 

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