事業を行っていれば何年に1回は行われる税務調査。

しかしこの税務調査は3~4年に1回の事業者もあれば10年以上行われていない事業者もあります。

今回は税務調査の対象に選ばれやすい事業者について記載します。

税務調査は毎年どれくらい行われているか

公表されている「税務行政の現状と課題」という資料を拝見すると平成26年の法人の実調率(法人の数を調査を行った件数で割ったもの)は3.2%、個人の実調率は1.1%となっています。

つまり法人は100社あれば年間に税務調査に入られるのは3社程であり、個人の場合は100人中1人位ということになります。

いかがでしょうか、一般的な感覚よりかなり少ないのではないでしょうか。

実調率は申告件数の増加や、調査官の業務量の増加、取引の複雑化によりひと昔前と比較すると著しく低下しています(平成元年の実調率は法人8.5%、個人2.3%)。

 

税務調査の対象に選ばれやすいのは

上記のように実調率は一般的なイメージより実際はかなり低いです。

しかしその中でも数年に1回調査が入っている事業者があるのも事実です。
それではどのような場合に調査に入られやすいといえるのか記載します。

長期間税務調査が入っていない事業者

課税の公平性を保つためにはある程度様々な事業者に調査に入る必要があると考えられています。
長期間(7年くらい)税務調査が入っていない事業者はその点から調査対象に選定されやすいと言えます。

所得率が低い事業者

所得率は所得÷売上で算出します。
通常、前年と比較して売上が増加していれば所得も増加するので所得率は一定になります。
ところが所得率が下がっている事業者、特に売上が増加しているのに所得は減少している事業者は不正な方法で経費を計上しているのではないかと疑われるため調査として選定されやすいです。

例えばx1年に売上1,000、所得200で、x2年は売上2,000、所得150だとします。
この場合x1年の所得率は20%、x2年の所得率は7.5%でx1年と比較して大幅に下がっています。
このように売上が増加したのに所得率が下がると儲かった分税金を払うのが嫌で、不正な方法で経費を計上して所得を減少させたのではと疑われてしまうのです。

多額の新規勘定科目を追加した事業者

長年事業を行っていると取引も固定されてきます。
その中で新しい勘定科目を作成して、そこに多額の金額が計上されていると何か不正な経費を計上しているのではと疑われて調査の対象になる可能性が出てきます。

同業者と比較して所得率が低い事業者

国税庁は様々なデータを業種ごとに保有しています。
先ほど記載した所得率も業種ごとの平均を把握しているため、所得率が同業者より大幅に低いと調査の対象に選定されやすくなります。

 

 

 

上記の他にも様々なポイントがあると思いますがここでは一般的なポイントを記載しました。

 

いかがでしょうか、税務調査はなるべくなら来てほしくないものです。

しかし、いずれ来てしまうのが税務調査でもあるので、その時に備えて日ごろから税理士と相談の上、不要な税務リスクはなくしておくことをおすすめします。

 

【参考条文等】
税務行政の現状と課題

 

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