前回の売上計上のタイミングに引き続き、今回は仕入計上のタイミングについて記載します。

商品の販売を行っている業種であれば仕入が発生します。

仕入を計上するのはどのタイミングが適切なのでしょうか。

仕入計上のタイミング

入荷したタイミング、検収したタイミング、請求書の届いたタイミング等色々考えられると思います。

会計上明確な規定はありませんが、実務上商品の所有権が売り手から買い手に移転したタイミングで仕入が計上されています。

商品の所有権が移転したタイミングとは商品の引き渡し時点であると言えます。
よって入荷したタイミング(入荷基準)か検収したタイミング(検収基準)のどちらかで計上するのが適切な処理と言えるでしょう。

たまに請求書が届いたタイミングで仕入を計上している会社がありますが、決算月において入荷基準や検収基準を適用している場合と同様の結果になるように調整する必要があります。

請求書が届いたタイミングで仕入を計上すると、期末直前に遠方から商品を注文した場合に問題が発生する可能性があります。
このような場合、請求書が届いているけれど商品の到着は翌期になるといったケースがあります。
そうすると仕入は請求書に基づいて計上されているにも関わらず、倉庫に商品が届いていないため期末在庫として認識されず売上原価が過大に計上されてしまうのです。
※売上原価=期首在庫+当期仕入-期末在庫で算定される。

業種によって異なる方法もありますが、今回は一般的な仕入計上のタイミングについて記載させて頂きました。
なお、仕入計上のタイミングは売上同様に一度決定したら継続適用が原則ですのでご留意下さい。

 

【参考条文等】
法人税法22条3項1号

 

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