無利息で貸し付けを行うと貸した側が通常受取るであろう利息分を収益に計上する必要があります。

しかし実際には金銭を受けとっていないので、法人税法上は利息を受け取ったけど、その同額をすぐに貸付相手に寄付したものと考えます。
※寄付金の金額には限度額があるため、限度額を超える部分は損金にはなりません。

一方で無利息で貸付を受けた側は特段の処理をする必要はありません。
一見無利息で貸付を受けた側は得をしているのだからその得した部分を収益とみなして課税しないとおかしいと思いがちです。

しかし無利息の貸付でなければ支払った利息があるのでその支払利息が損金になり所得を減少させますが、無利息では支払利息はないので所得を減少させることは出来ません。
その分所得が増加し税負担が発生しているにも関わらず、更に利息の金額分を収益とみなしてしまうと二重に課税するのと同じことになるので特段の処理は不要となるのです。

 

会社間の無利息貸付の例題

例えば通常受け取るべき利息が100の場合の無利息貸付の処理は以下のようになります。
※貸付を行った会社の寄付金限度額は80とします。

無利息貸付を行った会社

通常受け取る利息100を収益に計上した後、同額の100を貸付相手に寄付したものとみなします。

益金:100
損金:80←寄付した金額は100ですが寄付金の限度額までしか損金にはなりません。
所得:20←益金と損金の差額が所得になります。

この例だと寄付金の限度額を超えた20の分だけ所得が増加することになり、その分だけ税負担が増加することになります。

 

無利息貸付を受けた会社

特段の処理不要です。

 

寄付金に該当しない無利息貸付とは

上記にて、無利息貸付を行った会社は通常受け取るべき利息を収益に計上するとともに、その金額は寄付金になる旨を記載しました。

しかし無利息貸付けを行った相手先が倒産の危機にあり、その無利息貸付が合理的な再建計画に基づくものである等、無利息貸付を行ったことに相当の理由がある場合には寄付金には該当せず、貸付を行った会社に税負担は発生しません。

 

【参考条文等】

・法人税法第22条
・法人税法第37条
・法人税基本通達9-4-2

 

 

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