先日は固定資産の購入資金が返済が必要のない株主資本でどれだけまかなわれているかを表す固定比率を紹介しました。
しかし、多額の設備投資が必要な業界や、資金が不足しがちな中小企業では全てを株主資本でまかなうことは難しいと言えます。
そのような場合には固定長期適合率を使用して固定資産投資の安全性を判断してみましょう。
固定長期適合率は固定資産を返済が不要な株主資本と1年以内に返済の必要がない長期の借入金でどれだけまかなえているかを表す指標です。
固定資産を株主資本と固定負債(支払い期限が1年超の借入金等)の合計で割ることで算定します。
固定長期適合率の算出方法
会社の決算書の貸借対照表から固定資産、固定負債、株主資本の金額を抽出し、固定資産を固定負債と株主資本の合計で割ることで算定出来ます。
計算例
・貸借対照表
土地1,000、建物600、機械200、固定資産合計1,800
長期借入金1,000、固定負債1,000
資本金1,200、利益剰余金800、株主資本合計2,000
・固定長期適合率
1,800(固定資産)÷3,000(固定負債+株主資本)=60%(固定長期適合率)
固定長期適合率の目安は
100%以内が一つの目安とされています。
固定長期適合率が100%以内ということはすぐに返済の必要がない資金で固定資産をまかなえているので、当面の資金繰りは安全であろうと判断出来るからです。
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