決算書は会社のビジネスの状況を示す資料の総称です。

期日までに多数の書類をまとめ、持参、郵送、電子申告のいずれかの方法で税務署へ提出します。

決算書の役割

会社にとって決算は、1年間のビジネスを統括する重要な業務です。

決算書はその事業年度の会社の状況を示すさまざまな資料の総称で、株主や取引先に会社の現状を示す役割があるとともに税務署や都税事務所にも提出を行います。

さらに、金融機関から融資を受けたり、新たな顧客との取引を開始したりする際には、与信にも大きく関わります。それゆえ、ルールに則って適正な決算書を作成し、期日までにきちんと提出することが大切です。

 

決算書の提出及び税金の納付期日は決算日の翌日から2カ月以内

会社は1年の12カ月のうち、決算を行う月を自由に定めることができます。国内では3月を決算月とする会社が多数派ですが中小企業であれば設立日から1年後を決算日とするケースが一般的です。

 

決算月の末日は「決算日」と呼ばれ、その翌日から2カ月以内に決算書を作成して、株主総会の承認を得た上で、確定申告を行わなければなりません。3月決算の会社なら、3月31日が決算日、その翌日の4月1日から2カ月後の5月31日が、税務署や都税事務所への確定申告書、決算書提出の期限となります。

また合わせて税金の納付も必要になります。

 

決算書に必要な書類

決算書の作成に必要な書類は、会社によって多少異なります。しかし、おおよそ下記の書類から構成されています。

 

【決算報告書】

貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、株主資本等変動計算書、個別注記表などで構成され、法人税申告書に添付します。

 

会社の経営状態や財務状況が確認できる書類で、利益を明らかにして法人税の申告を行うほか、金融機関の融資審査の際などにもチェックされます。

 

会社法により10年間の保管が義務付けられています。

 

【総勘定元帳】

会社のすべての取引が記載されています。現金、預金、売上、仕入など勘定科目ごとの元帳なので、起業したばかりでもかなりのボリュームになります。

 

手書きで作成するのは相当な手間になるので、会計ソフトを使用して記帳することをおすすめします。

 

【勘定科目内訳明細書】

貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)に記載のある勘定科目について、それぞれの内訳を記載する資料です。

日頃から自社の財務内容を把握していないと決算の時に勘定科目の内訳がわからないなんてこともありますので日々の経理はしっかり行いましょう。

確定申告書とともに税務署に提出する書類です。

 

【領収書綴り】

日付順に経費の領収書を綴ったものです。作成と10年間の保存が義務付けられており、税務調査の際には必ず確認されます。

 

【法人税申告書】

法人税、地方法人税の確定申告を行うための書類です。

 

【法人事業概況説明書】

事業の内容、従業員数、取引といった情報を記載した書類です。法人税の確定申告書と一緒に税務署へ提出します。

 

【税務代理権限証書】

税務調査が入る場合、問い合わせや立ち会いを代行する者を示す書類です。税理士に代行を依頼する場合は、担当の税理士に作成してもらい、法人税の確定申告書とともに提出します。

 

【消費税申告書】

消費税、地方消費税の確定申告を行うための書類です。課税売上が1,000万円を超えると、所轄の税務署に提出して、消費税を納付する消費税課税事業者となります。

 

消費税には、簡易課税と原則課税という2種類の課税方法があり、どちらの方法を選ぶかによって、この申告書と一緒に提出する付表が異なります。

 

【地方税申告書】

法人住民税、法人事業税といった地方税の確定申告を行うための書類です。

 

個人事業主は税務署への確定申告を行えば、都道府県等への申告は不要です。しかし、法人は税務署への申告に加えて、都道府県等への申告が必要です。

 

決算書を提出する

決算書の提出方法は次の3通りです。

 

【持参する】

持参する場合は、管轄の税務署や都税事務所に決算書を持参します。一見、面倒な方法に思えるかもしれませんが、万一、押印漏れ等の形式的な不備があった場合などはその場で不備を指摘してもらえます。

 

また、申告書関係の書類を2セット持参すれば、収受印を押した1セットを返却してもらい、申告の控えとすることが可能です。

 

直接持参にはこうした良い点がありますが、どうしても移動の手間が発生します。また、申告の期日が迫ってくると窓口が混み合って、時間がかかるところも難点です。

 

【郵送する】

郵便などでの送付も一般的な提出方法です。書類の控えが必要な場合も、書類を1セット余計に封入し、返信用封筒と切手を同封しておけば、収受印を押して返送してくれます。

 

【電子申告する】

近年、増加しているのが電子申告です。税務署などへ出向く必要がなく、合理的な方法ですが、収受印を押した書類は返却されません。

この場合は電子申告システムであるe-taxからの受付通知が税務署の収受印代わりになります。

なお当事務所では申告は全て電子申告で行います。

 

 

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