今回は会社設立期間中に発生した売上や費用の処理について記載します。
会社法上、法人は設立登記により成立するとされています。また、法人税法上も同様に設立登記の日を最初の事業年度とする考え方が採用されています。
しかし法人の設立登記までは一定の期間を要するため、その設立期間中であっても、法人名で商取引を行い売上や交通費、家賃、水道光熱費等の諸々の費用が発生するケースがあります。
このような設立期間中に発生した所得はどこに帰属させれば良いのでしょうか。
結論としては法人に帰属させることができます。つまり設立事業年度の所得の計算に含めて申告を行うことができます。
ただし、法人に帰属させて申告する場合であっても事業年度開始の日はあくまで設立登記の日になりますのでご留意ください。
※交際費の損金算入限度額の算定は設立登記の日から算定しますし、設立期間中に取得して使用している固定資産の減価償却の算定にあたっても設立登記の日を基礎として算定します。
また、例外もあり下記2つのケースに該当するような場合は設立事業年度の所得に含めることはできませんのでご留意下さい。
例外的取り扱い
①設立期間が長期にわたる場合
設立事業年度の所得に含めることができるのは、設立期間中の営業期間が短いことが想定されているからです。
設立期間中の営業期間が長期にわたるのであれば、人格のない社団等の所得として別個に法人税の申告が必要になると考えられています。
②個人事業主から法人成りする場合
このような場合は設立期間中の所得は個人事業主の所得として申告する必要があります。
【参考条文等】
法人税基本通達1-2-1
法人税基本通達2-6-2
法人税基本通達逐条解説
会社法49条
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