本日はちょっと複雑な社用車を割賦購入した際の仕訳処理に関する記事です。社用車の購入契約書には色々な項目がありこれは資産になるのか、それとも経費になるのか、そして消費税はどうなるのか等、判断に迷うことが多いと思うのでまとめてみます。

 

仕訳処理例

一般的な社用車を割賦購入した際の仕訳処理例です。大体の項目は網羅出来ていると思います。
※消費税欄は○が課税対象、×が課税対象外です。

 

社用車購入時

社用車購入時の仕訳です。仕訳日付は納車日で行うのが一般的です。固定資産台帳への登録も忘れないようにしましょう。

借方科目 内容 消費税 貸方科目 内容 消費税
車両 車両の本体、オプション、付属品、値下げ 長期未払金 割賦購入の代金 ×
長期前払費用 割賦購入に関する手数料 ×
租税公課 自動車税、自動車取得税、自動車重量税 ×
保険料 自賠責保険 ×
支払手数料 資金管理料金、代行費用等のその他諸費用
支払手数料 検査登録手数料、車庫証明手数料等の法定費用 ×
長期前払費用 リサイクル預託金 ×
諸会費 道路サービス関連費用(JAF入会金及び年会費) ×
長期前払費用 メンテナンスパック

 

割賦金支払時

割賦購入をした際は割賦代金を毎月支払います。支払時に下記仕訳を起票します。

借方科目 内容 消費税 貸方科目 内容 消費税
長期未払金 長期未払金の支払 × 現金預金 長期未払金の支払 ×

 

決算時

購入時に長期前払費用として計上していた割賦手数料とメンテナンスパックを費用に振り替えます。

当期の費用に振り替える金額は購入時の長期前払費用計上額×(当期の月数※÷契約期間)です。なお割賦手数料とメンテナンスパックは別々に計算します。
※例えば12月決算の会社が7月に割賦購入した場合、当期の月数は7月~12月の6ヶ月間になります。

更に車両の減価償却仕訳も計上します。

また長期前払費用に計上したリサイクル預託金は廃車時までそのまま計上しておきます。

借方科目 内容 消費税 貸方科目 内容 消費税
支払利息 割賦金手数料を利息に振替 × 長期前払費用 割賦金手数料を利息に振替 ×
修繕費 メンテナンスパック費用を修繕費に振替 長期前払費用 メンテナンスパック費用を修繕費に振替 ×
減価償却 車両の減価償却。金額は固定資産台帳から算出。 × 車両 車両の減価償却。金額は固定資産台帳から算出。 ×

 

廃車時

廃車時にリサイクル預託金を費用に振り替えます。
※車両の金額は0円の前提。

借方科目 内容 消費税 貸方科目 内容 消費税
支払手数料 購入時に長期前払費用に計上したリサイクル預託金を支払手数料に計上。
サービスの対価なので消費税は課税取引。
長期前払費用 支払手数料購入時に長期前払費用に計上したリサイクル預託金を支払手数料に計上。 ×

以上となります。社用車を割賦購入した際の仕訳は複雑ですので一つ一つしっかりと確認した上で仕訳を起票しましょう。

 

参考条文等】
・法人税基本通達7-3-2
・法人税基本通達7-3-3の2


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