クラウド会計ソフトの利便性のキモは「自動化」にあります。今後、労働力人口が減少するなか、生産性の向上は重要な課題となっています。

こうしたなか、自動化によってこの問題を改善していこうとする機運が高まってきました。この記事では、クラウド会計ソフトの活用によって自動化が可能な経理業務について解説します。

経理において面倒な明細データの取得を自動化するクラウド会計ソフト

クラウド会計ソフトの認知度が高まり、利用する企業は増加傾向にあります。それはクラウド会計ソフトのメリットが広く知られてきたからでしょう。そのメリットの中核を成すのが「自動化」です。

 

クラウド会計ソフトは、経理においてどのような自動化を実現しているのでしょうか。

 

それは主に3点あります。

 

ひとつは「明細データの自動取得」です。銀行口座やクレジットカード、POSレジのほか、AmazonやLOHACOなどの通販業者とも連携することで、さまざまな明細データの自動取得を実現しています。

 

現在、明細データの入力は経理業務において大きなウエイトを占めています。みなさんの会社でも経理のパートやアルバイトさんを雇用したり、会計士や税理士に依頼して処理しているのがほとんどでしょう。

 

しかしながら、明細データの入力は、ビジネスにおいて本質的には価値を生まない業務です。可能であればなくしたいと考えている企業が多いなか、クラウド会計ソフトはそれを実現したわけです。この自動化を活用すれば、手入力が不要になります。

 

手入力が不要になれば、誤入力などの確認業務もなくなるわけです。「明細データの自動取得」によって経理業務が効率的になるほか、アルバイトの人件費が必要なくなるため、経費的に助かるという話です。

 

自動化して削減した時間を高付加価値な仕事に充てる

次は「明細データの自動仕訳」です。

 

経理では、取引1件1件につき、適正な仕訳を行う必要があります。

従来のインストール型の会計ソフトにおいては1件1件手入力で仕訳を作成していました。

 

「書籍を購入した場合は新聞図書費として仕訳する」といった具合です。この作業を人間が都度判断して行ってきたわけです。

 

少し想像すればわかると思いますが、適正な仕訳を行うためには、相応の知識や経験が必要です。そのため、これまで多くの中小企業では経理に熟練した従業員を多数抱えてきました。

 

「明細データの自動仕訳」は、このような状況を一変させる可能性があります。この仕訳という面倒な作業を、クラウド会計ソフトが自動的に行ってくれるからです。

 

これにより、従業員の人件費の削減が期待できるでしょう。そして、削減した時間をより付加価値の高い業務に集中させることで、さらにビジネスを進展させることが可能となるでしょう。

 

クラウド会計ソフトは企業の生産性向上に寄与する

最後は「レポートの自動作成」です。経理の仕事は、明細データの取得、仕訳にとどまりません。これまで蓄積した会計データを駆使したレポートを作成して、経営に役立つ判断を提供するのも重要な仕事です。

 

法令に則って記帳を行い、経理データを適切に保存することはもちろん重要ですが、あくまでそれは過去のもの。過去のものを未来にどう活用していくのか。それを考えるのが経理の仕事でしょう。もはや経理は記帳だけしていればいいという話ではないのです。

 

「レポートの自動作成」を活用すると、売上や損益のほか、キャッシュフローの状況を簡単に確認することができます。従来のインストール型の会計ソフトの場合、会計データをいったんエクセルに出力して、改めて加工する必要がありました。クラウド会計ソフトは、こうした面倒な作業を一掃してくれます。

 

「レポートの自動作成」は経営に大きなインパクトを与えています。

 

飲食店や小売店など、日頃多くの取引を行う業態の場合、レポート作成がわずらわしいこともあって、損益管理が後回しになりがち。気づいたら「赤字に転落していた」というケースもしばしば見受けられます。「レポートの自動作成」はこうした問題を減らし、経営の安定化に資するものでしょう。

 

現在、さまざまな企業で生産性向上が叫ばれています。日本は人口減少社会に突入しました。労働人口が今後ますます減少するなか、新規採用はままならない時代が来るでしょう。

 

そんなとき、今まで人手に頼っていた経理業務をどのように効率化していくのでしょうか。今までのように人海戦術が使えなくなるのです。その答えのひとつが「クラウド会計ソフトの活用」とです。

 

ここまでお話ししてきたように、自動化は単に「自分が楽をするため」という単純なものではないのです。「自動化によってどのように経営を変えていくのか」、そういった発想を持てば、クラウド会計ソフトは心強いビジネスパートナーになってくれるでしょう。

 

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