クラウド会計ソフトとして知られるのは、「freee」「弥生」「ネットde会計」「MFクラウド」の4つです。そのシェアはどのようなものでしょうか。

2016年と2017年のシェアを確認しつつ、2019年のシェアを独自に予想してみます。

クラウド会計ソフトの主軸は4製品ある

現在、クラウド会計ソフトの中心となっているのは「freee」「弥生」「ネットde会計」「MFクラウド」の4つです。

 

クラウド会計の需要は高まりつつあり、従来、主流であったインストール型のものからの切り替えが顕著になっています。クラウド会計の利便性の高さや、安価に運用可能なことが中小企業や個人事業主にとっては大きな魅力となっているのでしょう。

 

しかし、依然としてインストール型のシェアも高い状況が続いています。マーケティング会社のMM総研が公表した「クラウド会計の法人導入実態調査」によると、インストール型が約85%を占めている一方で、クラウド型は約15%にとどまっています。残念ながらクラウド会計の認知度はまだまだ低いと言えるでしょう。

 

従業員300人以下の中小企業と個人事業主におけるクラウド会計ソフトのシェア

クラウド会計ソフトは上述した4つが主流ですが、その市場シェアはどのようになっているのでしょうか。従業員300人以下の中小企業と個人事業主に分けて、気になるシェアを見ていきましょう。

 

まず中小企業から。なお、ここで紹介するデータは、MM総研が公表した「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」のものです。

 

2016年におけるクラウド会計ソフトのシェアは「freee」が36.6%、「弥生会計オンライン」が26.7%、「ネットde会計」および「MFクラウド」が10.7%となっています。

 

続いて2017年のシェアも見ていきましょう。こちらは「freee」が32.3%、「MFクラウド」が19.2%、「弥生会計オンライン」が15.4%、「ネットde会計」が13.8%となっています。

 

この結果から、「弥生会計オンライン」のシェアが低下し、「ネットde会計」や「MFクラウド」のシェアが高まっているのがわかるでしょう。「freee」は若干シェアを落としているものの、トップを堅持しています。今のところ、クラウド会計ソフトにおいては「freee」の勢いが強いと言えそうです。

 

次に個人事業主におけるクラウド会計ソフトのシェアを見ていきましょう。なお、これから記述するデータはMM総研が公表した「クラウド会計ソフトの利用状況(16年12月末)」および「同(2017年3月末)」から引用したものです。

 

2016年におけるシェアは「弥生」が52.8%、「freee」が22.3%、「マネーフォワード」が17.7%、「全国商工会連合会」が3.3%となっています。

 

そして2017年は「弥生」が56.8%、「freee」が16.9%、「マネーフォワード」が19.9パーセント、「全国商工会連合会」が3.2%でした。

 

従業員300人以下の中小企業では「freee」がトップシェアを占めていましたが、個人事業主においては「弥生」が約半分の市場シェアを握っている状況です。

 

上記のような違いが出るのは、従業員300人以下の中小企業と個人事業主で求める機能が違うからです。

 

個人事業主の場合は、シンプルで機能を絞ったものが受けているようです。クラウド会計ソフトの導入を検討する際は、市場シェアを参考にしつつ選ぶとスムーズかもしれません。

 

2019年のクラウド会計ソフトのシェア

さて、クラウド会計ソフトを選ぶ際、会計事務所におけるそのシェアを知っておくことも重要です。

 

というのも、クラウド会計ソフトは会計事務所とともに活用していくものだからです。マネーフォワード社のプレスリリースによると、会計事務所におけるクラウド会計ソフトのシェアは「MFクラウド」が34.9%、「freee」が22.7%、「弥生会計オンライン」が11.6%となっています。クラウド会計ソフトを検討する際は、この数字を頭に入れておき、会計事務所と調整するのがよいでしょう。

 

さて、2019年におけるクラウド会計ソフトの市場シェアを予想してみましょう。

 

その前にクラウド型の会計ソフトの普及について私の感想を書いておきます。ここ数年でクラウド会計ソフトの認知度は格段に向上してきたため、インストール型の会計ソフトを使用する企業は減りつつあり、クラウド会計ソフトを活用する企業は増加しています。

 

それはコストダウンなど、多くのメリットがあるからです。顧問先を訪問するなか、クラウド会計ソフトの使用率は確実に高まっています。

 

おそらく、従業員300人以下の中小企業においては、依然として「freee」が高いシェアを占めているでしょう。そして「MFクラウド」や「ネットde会計」、「弥生会計オンライン」が追随する形になっていると思われます。

 

近年、4強のほかにもクラウド会計ソフトが多数リリースされています。そのため、4強の占めるシェアが低下している可能性もあるでしょう。クラウド会計ソフトを選ぶ際は、4強を中心にしつつ、多方面に視野を広げてみると、自社にあったものが見つかるかもしれません。

 

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