クラウド会計ソフトはインターネット上で機能するものです。ネットワークを介するだけに、情報漏洩リスクがあるのは事実です。

クラウド会計ソフトを検討する人のなかには、セキュリティ対策について心配する人もいるでしょう。今回は、クラウド会計ソフトのセキュリティ対策について解説します。

クラウド会計ソフトの心配事のひとつがセキュリティ対策

クラウド会計ソフトによる業務効率化とそのメリット」のコラムでは、クラウド会計ソフトのメリットについて解説しました。コラムを読んでいただくと、クラウド会計ソフトにはさまざまなメリットがあり、利用価値が高いことがわかると思いますが、利用にあたり懸念点がないわけではありません。

 

クラウド会計ソフトを利用する際、心配になるのが「セキュリティ対策」についてではないでしょうか。

 

クラウド会計ソフトはインターネット上で機能する仕組み。そのため、ネットワークでつながることによる情報漏洩のリスクを恐れているのでしょう。会計データは企業の重要な機密情報ですから、そう心配することはよくわかります。

 

クラウド会計ソフトには高度なセキュリティ対策が施されている

確かに従来の会計ソフトの場合、自社所有のパソコンにインストールして利用する形態であるため、情報漏洩リスクは大きくないのは事実です。

 

インターネットに接続していないパソコンであれば、USBなど、外部端子による情報持ち出しによる人的ミスを除き、ネットワークを経由した情報漏洩は起きません。もし過度にセキュリティ対策にこだわるなら、従来の会計ソフトを使い続けるのがよいかもしれません。

 

とはいえ、これだけクラウド会計ソフトが普及してきているのは、そうしたセキュリティに対する懸念点を払拭する対策がしっかりと施されているからです。近年は金融機関並みのセキュリティ対策を行っているクラウド会計ソフトが目立ちます。

 

暗号化通信が進展するなか、最先端の技術を取り入れてクラウド会計ソフトを開発している企業が増えてきています。それゆえ「クラウド会計ソフトを利用したほうが、セキュリティ対策は堅牢になるのではないか」といった意見もあります。

 

BCP(事業継続計画)リスクを軽減するクラウド会計ソフト

クラウド会計ソフトに対して「バックアップデータの保存」について心配する人もいます。従来型の会計ソフトの場合、自社所有のパソコンにアクセスすればバックアップデータの有無を確認することができました。

 

つまり、いつでもバックアップデータを確認できるという安心感があったわけです。その代わり、自らバックアップデータを保存する作業が必要でした。この作業は思いのほか面倒なものです。

 

一方のクラウド会計ソフトの場合、バックアップデータはクラウド上に保存されることになります。具体的には、クラウド会計ソフトを開発・運営する企業のデータセンターにバックアップデータが自動的に保存されます。ということは、一般的にクラウド会計ソフトでは、バックアップ作業は不要になり、煩雑な会計業務が効率的になります。

 

しかし、バックアップデータが自社ではなく他社のデータセンターにあることに対し、「本当に大丈夫なのか」と心配する人もいるでしょう。結論から言えば、「問題ない」です。というのも、クラウド会計ソフトを開発・運営する企業のデータセンターは物理的にも人的にもセキュリティ対策がしっかりと施されているからです。

 

情報セキュリティマネジメントについて公的に認められている企業も多く、検討する際は確認するとよいでしょう。それでも心配な場合は、企業に問い合わせてデータセンターの見学を申し込んでみるのも一案です。実際にデータセンターを見ればセキュリティが堅牢であると理解できるはずです。

 

日本は災害国家として知られています。こうしたなか、災害が起きても事業が継続できる体制を構築することが急務となっています。いわゆるBCP(事業継続計画)と言われるものです。クラウド会計ソフトは、企業のBCPに資するものだと言えるでしょう。

 

もし地震や洪水などによってバックアップデータの保存されたパソコンが破壊されてしまった場合、企業が打てる手はほとんどありません。

 

一方、データセンターは災害対策もしっかりと施されています。そのため、バックアップデータが守られる可能性が高いと言えるでしょう。

 

ここまでクラウド会計ソフトのセキュリティについて書いてきましたが、従来の会計ソフトとクラウド会計ソフト、それぞれにメリットとデメリットがあるということです。すべてが万全な会計ソフトは残念ながら今のところありません。

 

大切なのはメリットとデメリットを比較検討したうえで、自社にとって必要な会計ソフトを導入することでしょう。迷った場合は、クラウド会計ソフトの開発・運営会社に問い合わせたり、会計士や税理士に相談することをおすすめします。

 

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