本日は資産の名義変更を対価を得ずに行った場合や他者名義で資産を取得した場合の課税の取り扱いについて記載します。

原則贈与課税

不動産や株式等の資産の名義変更を行った場合で対価の支払いがない場合は原則として贈与課税が行われます。

また、他者名義で不動産や株式等の資産を取得した場合もその者に対して贈与があったものとして課税されます。

 

 

例外的な預金の取り扱い

資産の名義変更を行った場合や、他者名義で資産を取得した場合は贈与税が課税されるのは上記のとおりですが、預金については取り扱いが異なります。

預金の場合は名義変更が行われた場合や、他者名義で預金口座を開設し金銭を振り込んだだけでは贈与としては取り扱われません。

なぜ預金は別の取り扱いになっているかというと、税金を徴収する税務署側にとってその方が都合が良いからです。

例えば親が子供名義(他者名義)の預金口座を作り、その子供名義の口座に金銭を振り込んだとします。
税務署側では上記の行為を逐一把握することは出来ません。
この時点で贈与があったことにすると、納税者がこの行為を贈与と認識して贈与税の申告をしない限り税務署側は贈与に気づくことが出来ず贈与税の時効が成立してしまうのです。
※贈与税の時効は最大7年

時効が成立すると贈与税は徴収できません。
このような税金の徴収漏れをなくすために預金口座については単なる名義変更があった場合や、他者名義で預金口座を開設し金銭を振り込んだだけでは贈与として扱わないこととし、贈与税の時効が成立するのを回避しているのです。

単なる名義変更や他者名義の口座に預金しただけでは贈与は成立しません。
預金の贈与を成立させるには贈与契約書を作成して適正に贈与を成立させる必要があることに注意しましょう。
※年間110万円を超える贈与は贈与税の申告が必要になります。

 

【参考条文等】
相続税基本通達9-9

 

【免責事項】
・当サイトに掲載された情報については、充分な注意を払っておりますが、その内容の正確性等に対して、一切保障するものではありません。
・当サイトに掲載されている情報の全部又は一部を予告なく変更する場合がございます。
・当サイトの利用で起きた、いかなる結果について、一切責任を負わないものとします。