設備投資が必要な企業の重要な指標の一つに固定比率があります。

会社が行った設備投資により固定資産がどれだけ返済の必要がない株主資本でまかなわえているかをチェックする指標であり、固定資産を株主資本で割ることで求めることができます。

固定資産は通常数年から数十年の長期間使用する、会社の事業の基礎となる資産ですので、売却することは基本的にありません。
仮にそのような会社の重要な資産を短期的に返済が必要な資金で購入していたらどうでしょうか。
購入した固定資産は売却して現金化することは出来ないので資金繰りは厳しくなってしまうことが予想されます。

そのため売却が出来ない固定資産は将来返済の必要がない株主資本でまかなわれていると安心できます。
固定比率を使うことでその安全性を確認することが出来るのです。

ちなみに固定資産の具体例は長期に保有する土地、建物、製造用の機械に加えて、関連会社や投資目的で保有する有価証券等もあげられます。

 

固定比率の算出方法

会社の決算書の貸借対照表から固定資産の合計と株主資本の合計を抽出し、固定資産を株主資本で割ることで算定出来ます。

計算例

・貸借対照表
土地1,000、建物600、機械200、固定資産合計1,800
資本金1,200、利益剰余金800、株主資本合計2,000

・固定資産比率
1,800(固定資産)÷2,000(株主資本)=90%(固定比率)

 

固定比率の目安は

長期的に使用する固定資産は返済が必要がない株主資本ですべてまかなうことが最も安全という考えから、固定比率は100%以内に抑えておくのが良いとされています。

しかし、大きな設備投資が必要な業種や、資金が不足しがちな中小企業では金融機関からの借入金に頼らざるをえないので100%を上回るのが一般的です。

100%以内という数値にとらわれすぎずに同業他社の比率を参考にするのが良いかと思います。

 

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